中高年のご夫婦が離婚したいとおっしゃった時、私は非常事態を除き簡単に勧めません。
なぜなら、妻は経済的な心配、夫は孤独と昔の思い出を失う喪失感でふさぎ込む、という精神面の不安があるからです。
若い世代のご夫婦は、お互い独立した関係(経済面・仕事等)を持ちつつ、二人での生活を楽しんでおられます。
お互い依存しない同居人ですから、ある意味、離婚しやすい関係(子どものいない場合)です。
中高年のご夫婦の場合、夫は昔ながらの価値観を持ちつづけたい、でも妻は新しい夫婦像を作りたい、というギャップが離婚に繋がっているように思います。
子どもが成人し、ふたたび二人の生活に戻った時、一度ご夫婦でじっくりと話し合ってはいかがでしょうか。
お勧めしたいのは、夫の退職を機に新しい夫婦の形を作る、夫婦関係のリセットです。
そのためには、自分が今後の人生をどのように生きたいか明確にする必要があります。
夫婦の役割分担を逆転させるのも良いでしょう。
これからは、二人で共有できる価値観・ライフスタイル・趣味等と、自分独自の新しい生き方の二本立てで、お互いやりたいことを我慢しない、相手を尊重し認め合い今後の人生を生きていく。
なによりも「自分のために生きる」それが、二人で長年頑張ってこられたご夫婦の人生のご褒美ではないでしょうか。
次回は、実際のご相談内容と傾向および対策についてお話しさせて頂きます。